- 退職を機に有給消化しようとしたら拒否されてしまった
- 退職するときに有給をすべて消化するのは非常識になるのかな
- 有給休暇を消化したいけど上司も有給取ったことないし言いづらい…
このように退職時の有給休暇の消化で困っていませんか?
仕事を辞めたいと思った時点で業務へのやる気も損なわれていきますし、正直言って辞めれるならなるべく早く辞めたいですよね。
そんなとき真っ先に思いつくのが「退職日までに余った有給休暇をまとめて消化して辞めたい」という考えじゃないでしょうか。
とは言え、会社からは、
「今まで有給をすべて使う人はいなかった」
「有給休暇は3日連続までしか使えない」
「辞めるなら有給休暇は使わせない」
と言われたり、
自分の中でも有給を最後にすべて使って辞めるのは非常識にならないかな?という不安があったりと、なかなか言いづらかったりするでしょう。
ですが、有給休暇は労働者に与えられた権利であり、会社側に拒否権はないのです。
そこでこの記事では、法律で決まってる有給休暇の取得ルールを理解してもらった上で、
- 有給休暇を確実に取得する方法
- 有給休暇を伝えるときの言い方
- 有給休暇を拒否されたときの対処法
といった退職時の有給消化を確実に取得するためのポイントを紹介します。
有給消化を拒否されて悩んでる方や有給を消化したいけど言いづらくて困ってる方はぜひ参考にしてください。
目次
知っておきたい有給休暇の基本ルール
まず有給休暇を取得する上で必ず知っておいて欲しいのが、有給休暇について定められた法律です。
有給休暇は「休みなのに給料が出る」ことから、取得する側としても会社側としても積極的に活用できていないのが現実でしょう。
ですが、労働基準法第39条にも定められている通り、休みを頂くのはあなたに与えられた真っ当な権利なのです。
そもそも有給休暇って?アルバイトやパートでも使える?
労働基準法第39条
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
引用元:厚生労働省
つまり、出勤日の80%以上出勤していれば、入社半年後に最低でも10日の有給休暇が与えられるよということです。
この法律は、正社員に限らずパートやアルバイトであっても↑の条件を満たしていれば有効となります。
そのため会社側に有給を使ってはいけないという拒否権はなく、時季変更権が使える特別な理由がない限り、あなたは自由に有給休暇を申請できるのです。
有給休暇取得の妨げになる?!時季変更権とは
労働基準法第39条5項
使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
引用元:厚生労働省
つまり、基本的には、労働者が自由に有給休暇を取得する時季を決められますが、会社の運営を妨げる原因になる場合は、会社の判断で時季をずらせるということです。
事業の正当な運営を妨げる場合とは、客観的に見て判断するのでこれと言った決まりがありません。
例えば、「繁忙期なのに従業員が一斉に有給休暇を取得したい」と言った場合は、客観的に見ても業務に支障が出ることは明らかなので、時季変更権が使えます。
逆に、特に理由もなくただ使って欲しくないから「今は忙しいから無理」と勝手に時季を変更するのは認められません。
時季変更権は退職時にも有効?
結論から言うと、時季変更権は退職時には使えません。
有給休暇は、
- 周囲に気を遣ってしまう
- 周りに有給を取得している人がいなくて言いづらい
- 理由をしつこく聞かれたあげく使わせてもらえない
と言った理由でなかなか使えずにフルに溜まってるという人も多いでしょう。
そのため、あなたにとって退職前の期間は、通常の勤務でなかなか使えなかった有給休暇をまとめて取得する滅多にないチャンスとも言えるはず。
有給を消化せず退職してしまえば、有給は消滅してしまいますし、何としてでも使いたいと考えるのが普通です。
ですが、そんな従業員の意思に反して会社側は何としてでも有給を使わせないようあの手この手を使って取得する権利はないことを遠回しに伝えてきます。
そこで最後の切り札として、時季変更権があると主張してくる可能性もありますが、退職日を超えての時季変更はできないので、実質的に時季変更権は使えません。
とは言え、退職時にまとめて有給休暇を取得する場合でも、引き継ぎはしっかり終えておく必要があります。
有給休暇が1ヶ月分余ってるからと言って、引き継ぎを行わずに退職日まで休むと「業務の正当な運営を妨げる場合」に該当すると判断され、会社側が有給休暇の消化を拒否できる事例もあるのです。
そのため、貰えるはずだった有給休暇分の賃金が支払われない可能性もあります。
有給は労働者の権利!有給を取得するのに理由は必要ない
有給休暇は労働者保護のために定められており、週休日とは別に賃金を支払って休暇を付与することで「労働者の心身の疲労を回復させること」を目的としています。
そのため、有給の取得日に関して会社側が勝手に、「冠婚葬祭の時だけ」「病気でやむを得ないときだけ」と定めることはできません。
原則、あなたは自由に有給休暇の取得日を決めることができますし、有給を取得する理由をわざわざ会社に伝える必要もないのです。
有給休暇が労働者の権利として与えられていることは知ってる人も多いはずですが、なぜこのような法律が定められてるかは考えたこともない人が多いはず。
このようになぜ有給休暇が定められているのか?を知ると、リフレッシュ期間としてあなたの為に与えられているということが分かるので、後ろめたさを感じずに積極的に活用していく考えに変えられるでしょう。
余談ですが、実際に有給休暇の取得について法律で定められているにも関わらず、
- 職場の雰囲気で取得しづらい
- みんなに迷惑がかかってしまう
- 昇給やキャリアアップに影響する
- 嫌な顔をされてしまう
という理由から半数以上の人が有給休暇の時効を迎え無駄にしてしまっています。
そういった現状を踏まえ、2019年4月からは「会社側が労働者に対して年に5回の有給を与えること」が義務付けられました。
【有給申請のやり方】有給休暇を確実に消化するための全手順
有給休暇の取得の権利があることが分かったところで、ここからは有給消化の手順を紹介していきます。
有給消化手順(1) 有給休暇を取得できる日数を確認
有給休暇は会社に勤めている年数によって取得できる日数が変わってきます。
↓であなたが現段階で取得できる日数は何日なのか確認しておきましょう。
※最低日数なので会社によってはもっと多く付与されている場合もあります。
勤続 年数 | 6ヶ月 | 1年半 | 2年半 | 3年半 | 4年半 | 5年半 | 6年半 |
有給 日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
6年半以降は1年ごとに20日支給されます。
有給は永久不滅ではなく2年間という有効期限が定められているので気をつけてくださいね。
なので、例えば5年間勤務して全く有給を使わなかった場合には、退職時にまとめて30日分(14日+16日=30日)取得できます。
もちろんアルバイトやパートタイムでの勤務も同様です。
ただ、週30時間以下かつ週4日以下で出勤している場合は上記の有給日数とは異なり、以下のように「週何日働いているのか?」「年間で何日働いているのか?」によって変わってきます。
週間 労働日 | 年間 労働日 | 6ヶ月 | 1年半 | 2年半 | 3年半 | 4年半 | 5年半 | 6年半 |
4日 | 169~216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
3日 | 121~168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
2日 | 73~120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
1日 | 48~72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
有給休暇の取得日数が分かれば、あとはそこから逆算して仕事の引継ぎに影響が出ないように上司に有給休暇を消化したい旨を伝えるだけです。
有給消化手順(2) なるべく早く上司に伝える
退職が決まり、有給消化を考えているならその意思を早めに上司や店長に伝えましょう。
「退職するんだから有給は使わないだろう」と本気で考えている上司も中にはいますし、有給について後から話して嫌味を言われないためにも、有給を取得する意思があることは事前に伝えておかなければなりません。
伝えるタイミングとしては、退職を伝えるときと同時が理想です。
あなたが退職するにあたって、会社側は、引継ぎや人材確保に向けて考えなければならないので、いきなり有給を使って突然いなくなると業務に支障がでて困ってしまいます。
最悪の場合、有給消化どころか損害賠償を請求される恐れもあるので、退職日と合わせて引継ぎの日程や有給消化のスケジュールも上司と相談して決めましょう。
有給消化手順(3) 引継ぎの日程と合わせて消化のタイミングを決定
有給消化のタイミングは、
- 最終退社日よりも前にまとめて取得する
- 最終退社日後にまとめて取得する
- 退職日までにバラバラに取得する
の3つのパターンがあります。
有給消化をしながら転職活動をする場合は、面接の日程に合わせてバラバラに取得する人も多いでしょう。実際にまとめて取得するよりはバラバラに取得した方が許可を得やすいです。
ただ、どうせならまとめて一気に休めるのが理想ではありますし、そのためにも引継ぎとの日程合わせは重要です。
退職時の有給消化を上司に伝える時の理由5選
先ほどもお伝えしたように、有給を取得するのに理由を伝える必要はありません。
とは言え、相手も人間ですからスムーズにいかないときもあるでしょう。
そんなときに使える理由が以下の5つです。
- 転職活動のための準備期間を設けたい
- 今まで行けなかったので再就職前に病院で人間ドックや健康診断を受けたい
- 転職と同時に引っ越しをするので準備をしなければならない
- 家庭の事情なので深くはお伝えできないので私用という事にしてほしい
- 役所での公的手続きや銀行での用事を済ませなければならない
退職時に確実に有給消化するためのポイントは、口頭で伝えつつ必ず書面でも有給消化する旨を残しておくことです。
後から言った言ってないを防ぐためにも退職願(または退職届)にも書いておくといいでしょう。
会社によっては書面で申請しなければならないところもあるので、有給申請に必要な手順を会社側に確認し、しっかり手続きをすませておいてください。
退職時に有給を取らせてくれない時にやるべき3つのこと
ここでは、ちゃんとした理由を伝えても有給を拒否されてしまった場合の対処法を紹介します。
中には法律だろうが何だろうが有給は取らせないという会社も存在するので、その場合は法に則って最終手段に出るしかありません。
労働基準監督署へ報告する
どうしても有給を取らせてくれない場合には労働基準監督署に相談してみましょう。
ただし、労働基準監督署は個人の問題ではあまり動いてくれないことも多く、会社に指導が入るだけで流されてしまうこともあります。
そのためあまり期待はできませんが、1つの手段として考えておいてください。
有給休暇を買い取って貰う
有給の買取りは基本的には違法です。
ですが、やむを得ず消化しきれなかった場合(退職時に消化しきれていない有給も含む)の有給休暇は会社とあなたの同意のもと買い取って貰うことができます。
この場合は、拒否されたあとにもう1度交渉しなければならないので、いきなりハードルの高い買取りを提案んするよりもまずは「どんな場合なら有給を取得しても問題ないか?」会社側に選択権を与えて交渉してみるのもいいでしょう。
それでも、有給は絶対取らせないというようであれば買取りを提案してみてください。
ですが、あくまでも買取りは双方の任意のもと行うものなので具体的な金額が決められているわけではなく、交渉時にはある程度妥協が必要になる可能性もあることを覚悟しておきましょう。
内容証明郵便で有給消化する旨を記載し強制的に取得する
「正社員がバックレるのは法律違反?会社に行かずに後始末する方法を解説」でも解説していますが、有給消化を取得できない場合は内容証明にて、
- 退職する旨
- 有給休暇する旨
を記載して送る方法もあります。
内容証明で送る場合は事前に引継ぎ業務を終えていることが前提ですので注意してください。
何度もお伝えしていますが、引継ぎ業務が終わらないまま有給消化して退職するとあとあとトラブルになるので気をつけてくださいね。
どうしても有給休暇を取得するって言いづらいときの対処法
周りの目線が気になりどうしても有給消化したいと伝えられない場合は、退職代行サービスに代わりに伝えてもらうという選択もあります。
退職代行サービスとは、様々な事情があって退職を伝えられない人や伝えたけど退職させてもらえない人に代わって退職する意思を伝えて、退職のサポートをしてくれるサービスです。
退職代行サービスに依頼すると料金は発生してしまいますが、有給消化ができずに諦めるくらいなら、退職と同時に有給消化についても依頼すれば金額面でプラスになります。
拒否された?それでも有給取得を諦めてはいけない2つの理由
なぜプラスになるのか?についてはここで説明しますね。
有給消化ができずに諦めて放棄する人も中にはいますが、有給休暇はあなたに与えられた休む権利なので、しっかり活用していただきたいです。
有給休暇分の給料をドブに捨てるのと同じ
というのも有給消化をせずに退職してしまうと、実質、有給休暇分の給料を放棄するのと同じことになります。
そのため、例えば有給が30日分残っている場合、丸々1ヶ月分の給料を捨てる事になるんです。
せっかく与えられた権利を自ら放棄して本来はいただけている賃金でさえも捨ててしまうのは非常にもったいないですよね。
なので、できる限り有給は取得して退職しましょう。
退職代行に依頼すれば金銭面でプラスになる
有給休暇が5日以上残っている場合は、退職代行に依頼しても金銭面でプラスになる可能性が高いです。
というのも、例えばあなたの基本給が20万円で、月の勤務日数が20日だった場合、単純計算で1日当たりの日給は1万円になります。
- 3ヶ月の平均賃金から計算する
- 通常の給料と同等に支払う
- 健康保険の標準報酬日額に基づいて決める
多少の誤差はありますが、会社側がどの方法を定めていても基本給とほぼ変わりないと考えていいでしょう。
そのため、有給が5日残っている場合は、実質、会社に行かずに5万円が給与としていただけるということになりますよね。
退職代行の相場は大体3~5万円なので、安いところに依頼すれば2万円プラスとして残すことができるのです。
なので、結果的に5日以上の有給が残っているなら、放棄するよりも退職代行に依頼した方が金銭面でもプラスになるということが分かっていただけたと思います。
有給休暇を放棄するのはもったいない!損する前に退職代行へ相談を
有給休暇を取得するためだけに退職代行を利用するのはハードルが高いと感じるかもしれません。
ですが、退職代行「辞めるんです」は内容に納得がいくまで無料で対応してもらえるため、「有給消化のために退職代行に依頼するのは気がひける」と思っている方も気軽にLINEで相談できます。
有給消化について上司に言いづらいのは、会社がそのような雰囲気を作っているだけなので、あなたの問題ではありません。
有給消化をしたら「迷惑かけるかも」と後ろめたさや申し訳なさを感じて躊躇しているならそれは間違いです。
有給消化を話して拒否するような会社が悪いですし、そもそも有給を使わせないのは法律違反なので、遠慮せず積極的に有給消化しましょう。
自分で有給消化を伝えるのに対抗があるなら、退職代行を利用すれば、あなたに変わって有給消化をしたいという意思を伝えてくれるので気兼ねなく休むことができます。
- 退職と同時に有給消化も伝えてくれる
- 有給消化について理由を問い詰められない
- 有給消化するのは非常識だと拒否られない
- 周りを気にして遠慮することもない
直接有給消化を伝えると嫌な顔をされ退職まで気まずい雰囲気のまま過ごすことになる場合もあるでしょう。
ですが、退職代行を利用することで上記のようにスムーズに取得できます。
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